2018.06.06
連載阿部吾郎の日本撮影スポット巡り
【群馬県・みどり市】花道に回り舞台、奈落の底も見学できる「ながめ余興場」
- 旅の撮影スポット
- 10 群馬県
- 歴史的建造物
- 阿部吾郎の日本撮影スポット巡り
群馬県みどり市の大間々は、もともと生糸や絹織物の集散地として栄えた町で、江戸初期に足尾銅山が発見されると、銅山街道の宿場町としてさらに発展した。大正14年になって、高津戸峡を見渡せる丘の上に「ながめ遊園地」が開園し、掛け小屋が立ち芝居を見せるようになった。昭和12年に「ながめ余興場」が建設され、芝居・映画・浪曲・歌謡ショーなどが上演され大変な人気となった。
外観、内部ともに当時の姿をほぼそのまま残す「ながめ余興場」。高津戸峡を見下ろす丘の上に建っている。入口正面の唐破風と呼ばれる屋根が見事だ。
催しものなどが無い日は、舞台、客席から舞台裏まですべて見学することができる。
もちろん、現役の演劇場としても使われている。
1階客席の最後部から撮影したもの。
舞台の向かって左側に花道がある。ゆるい上り坂になっている。
舞台中央に、回り舞台がある。現在は電動で回転するようになっているが、当時の様に手動で回すこともできるようになっている。
舞台から観客席を眺めてみる。2階席があり吹き抜けになっている。
1階観客関の一番後ろ中央に「警官席」がある。反政府的な内容、風俗を乱す内容の芝居などを取り締まるため、こういう場所には警官が詰めていたのだ。
2階客席からの眺めもすばらしい。
客席の一番前にある、畳敷きの桟敷席で一度観劇してみたいものである。
舞台の下、すなわち奈落の底も見学できる。ながめ余興場に関わったさまざまな役者や芸人さんのサインをはじめ、ここが多くの人々で賑わっていたころの様子を伝える資料などが展示されている。
ここが回り舞台の真下。希望すれば、回してみることもできる(電動から手動に切り替える必要があり、係の方にお願いする必要あり)。
上に誰もいない状態なら、なんとか一人でも回せるぐらいの重さだ。
様々な資料が展示されている。演劇や落語などが好きな方であればかなり興味深いのでは。
梅沢富雄さんのご両親が、かつてここで活躍されたそうで、衣装などが展示されている。
舞台裏から花道に通じる通路。これまで、どれだけの役者や芸人がここを通ったのだろうか。
演劇などの催しものがない場合は、入場料300円で内部見学が可能だ。写真撮影可。係員の方が丁寧に説明してくれる。
比較的安価に貸切ることもできるので、撮影会などにも使用できそうだ。
詳細は、みどり市HPを確認のこと。
撮影スポット情報
関連記事
写真家情報
阿部吾郎詳細
得意分野 | 風景 | 拠点 | 11埼玉県 | 所属団体 | 日本旅行写真家協会 |
---|---|---|---|---|---|
分類 | プロカメラマン |
トラベルガイド株式会社代表・ツアープランナー・カメラマン・ライター
旅行会社で20数年勤務したのち起業。マレーシアの旅行情報サイト「トラベルガイドマレーシア」を運営、自ら写真撮影・文章執筆を行う。カメラマンとしてアジアを中心に撮影を行い、旅行会社を中心に画像素材を提供。