2018.05.09
連載阿部吾郎の日本撮影スポット巡り
【滋賀県・東近江市】近江商人の町「五個荘(ごかしょう)」の清らかな水が流れる美しい景観を撮る
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滋賀県東近江市の五個荘(ごかしょう)金堂地区には、近江商人の屋敷や農家集落が一体となって残っており、清らかな水が流れる水路が巡らされ、すばらしい景観を目にすることができる。2015年には日本遺産に認定されている。
五個荘金堂地区のメインストリート「寺前・鯉通り」、清らかな水が流れる水路と板塀、茅葺屋根が美しいまさに日本の原風景だ。
五個荘金堂地区でのベストショットは、やはり錦鯉を手前に入れた、こんな感じの構図だろう。しかし、この錦鯉、太陽を避けているのか、サギの来襲を恐れているのか、石橋の下に密集して隠れていて、なかなか出てきてくれない。水辺に人が近づくとエサをくれるのかと思って出てくるので、その瞬間を狙って撮影。
「あきんど通り」周辺の街並み。電線が景観を損ねているのが少し残念だが、時代劇に出てきそうな街並みである。午前11時ごろに撮影したのもで、ちょっと明暗差がきつい。早朝や夕方に撮影すれば、もっと雰囲気が出そうだ。
水辺にちょこっと花が植えてあり、これが街の美しさに、文字通り花を添えている。
写真としては、白い花が白飛びしてしまい、失敗でした。日中の風景の中に、白い被写体があると、撮影が難しい。白い被写体の方に露出を合わせると全体的に暗くなってしまう。白鷺なんかも、いつも苦労する。
五個荘金堂地区にある近江商人屋敷のうち4軒は内部が公開されている。そのうち3軒を巡る共通入館券(600円)を購入した。4月の中旬に訪れたのだが、子供の日が近いとあって武者人形や鯉のぼりが展示されていた。
上の3枚の写真は「中江準五郎邸」である。戦前、中国や朝鮮で三中井(みなかい)百貨店を展開し財を成した中江家の邸宅である。
(1)板塀と瓦屋根が美しい外観。
(2)懐かしい純和風の邸宅で、段飾りの武者人形がいくつもあり、見事であった。
(3)鯉のぼりも味がある。
続いて訪れたのは「外村宇兵衛邸」、絹糸や綿の売買から呉服屋に発展した商人の邸宅である。
(1)「川戸(かわと)」という、敷地内に水路の水を引き込み屋根をかけ洗い場として利用した施設が見られる。防火用水にもなり魚も飼える。
(2)土間があり、大きな鯉のぼりが飾られていた。
(3)格子窓からの風景が、なんとなく郷愁を誘う。
最後は「外村繁邸」、先ほどの外村宇兵衛さんの婿養子の分家である。こちらも呉服問屋だ。
(1)土間が展示スペースになっており、当時使われていた日常の道具が展示されている。
(2)2階の和室は、外の風景と一体となって日本建築の美しさを感じられる。
(3)ここの武者人形は、合戦の舞台を再現しており、段飾りとは違った面白さがある。
今回、あまり時間がない中、急いで撮影したので、カメラの設定がかなりいい加減で申し訳ない。家の内部と外の風景を交互に撮影すると、設定を修正するのを忘れがちである。
今回はロケハンということにして、再度じっくり時間を取って撮影したいと思う。
撮影スポット情報
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写真家情報
阿部吾郎詳細
得意分野 | 風景 | 拠点 | 11埼玉県 | 所属団体 | 日本旅行写真家協会 |
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分類 | プロカメラマン |
トラベルガイド株式会社代表・ツアープランナー・カメラマン・ライター
旅行会社で20数年勤務したのち起業。マレーシアの旅行情報サイト「トラベルガイドマレーシア」を運営、自ら写真撮影・文章執筆を行う。カメラマンとしてアジアを中心に撮影を行い、旅行会社を中心に画像素材を提供。