2021.12.23
連載伊東浩先生の「初心者向け撮影テクニック」
≪第8回≫構図について
- フォトテクニック
- 伊東浩先生の「初心者向け撮影テクニック」
- 初級
- 撮影技術一般
今回の撮影テクニックは、構図です。簡単に言えば、カメラの決められたフレームと呼ばれる「窓枠」に何をどう入れるか?どう外すか?と言う事で、テクニックというより感性に近いのですが、一応決まった形があるので少し触れてみます。構図にはいくつかの種類がありますが、どういう被写体にどういう種類の構図を使うのが正しいとか、間違いなんてことはありません。ただそれぞれ構図の特徴はあるので、その特徴が上手く出せる撮り方がより良いわけです。
****** この記事は、「旅と写真.comメルマガ」に掲載された記事を再構成したものです。 *****
(1)日の丸構図
冒頭の写真は、日の丸構図の代表例です。
主要被写体を真ん中に配置し、かつ水平、垂直を正確に合わせて、ピントは、真ん中に合っています。
非常に安定感が感じられ、撮りたいものが分かりやすいですね。
日の丸構図はつまらないとか上級者は使わない等の意見もありますが、この構図を少し勉強することで、他の構図も上手くなっていきます。
どちらもヤツデの花を真ん中に入れた写真ですが、上の写真は周りの葉が少しピントが合い過ぎてうるさい気がします。
下の写真の様に、主要被写体の撮影範囲が画面の殆どを占めるようにすれば、うるささは解消され、わかりやすい写真となります。
一つ目のテクニックは、「主要被写体にできるだけ寄る。そして大きめに撮る」です。
上の写真も下の写真も2輪の水仙を主要被写体にして、あとはうまく暈して、真ん中に配置しています。
でもよく見ると、上の作例では、右下に映っている水仙の方にピントが合っています。
日の丸構図は真ん中に配した被写体にピントが合う事が重要なのです。
2つ目のテクニックは、「真ん中にピントを合わそう」です。
最後はピントも配置もバッチリなのに、上の写真は建物が傾いて撮れています。人工物は水平や垂直感がよく目立ちます。そのため少しでも曲がると、結構違和感があります。日の丸構図は安定感が出ることが大きな特徴です。
3つ目のテクニックは「真直ぐに撮ろう」です。 もちろん三脚などを使うのもお勧めです。
写真の真ん中に主要被写体を入れる日の丸構図、易しいように見えて、結構気遣う部分が多いですし、気遣わなかったことが、すぐバレます。
心して「日の丸構図」を練習しましょう。
(2)シンメトリー構図
いわゆる対称形の構図で、左右対称や上下対称があります。この構図は地上の物体が水面に映りこんだ、水鏡構図が代表的です。
このように対称軸の上下や左右で折り返したような写真になります。風のない晴れた日などは綺麗に映りますよ。お試しください。
(3)分割構図
<1> 二分割構図
明るさやコンセプトの異なるコンテンツを画面内で2つに分けて配置する方法。
地上と空のような配置によく使われます。作例は概ね空と地上に分割しているように、上下分割していますが、左右分割や対角線分割などの配置もあります。
<2>三分割構図
画面を三分割した交点に被写体を置きます。被写体の動きを表現できるとされます。
この作例の被写体は画面左から右に移動しているため、移動してきた感じを表現するため、右下に置いてみました。
<3>四分割構図
三分割より主要被写体を外側に置くため、存在感を強調しやすいです。
人物や動物などの生物に適用すると孤独感が表現できます。
作例はライトアップを強調するため、敢えて右隅に据えました。
画面下部の雑踏間と相まった壮大さが表現できます。
(4)三角構図
いわゆる主要被写体の消失点を入れる構図で遠近感が強調して表現されます。
鉄道写真などでよく使われる構図で、車両の後方やビル群、トンネル、駅舎などと一緒に消失点を作ると、迫力があります。消失点の位置は長辺側の端に作るのが無難な方法です。
構図は、どういう使い方が正しいとか間違っているとかを厳密に決めるものではありません。
種類についても、人によって分類方法が異なる場合もあります。
あくまで自分の感性を表現する補助効果として使われるといいと思います。
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