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2020.05.02

星の撮影 

EOS6D MKⅡ EF16−35/2.8LⅢ 16mm  F4 30min ISO100  西表島

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デジタルカメラが進化し、高感度撮影や長時間露光でのノイズが少なくなり夜の撮影が簡単に楽しめる様になった。旅にでた時には夜空を見上げて挑戦してみよう。
しかし、肉眼で星が見えていても、都会や船が行き交う港周辺では地上の明かりが空に反射している。長時間露光ではオーバーになるので場所選びは重要だ。
 
ここでは、一般的なデジタル一眼レフ(ミラーレス含む)での星風景の撮影手順を説明していく。
撮影モードは、マニュアル(M)、ISO3200、絞りF4、30sec 前後でテスト撮影して露出や構図を確認すると良い。撮影画質はRAW、ホワイトバランスはオートで良いだろう。
星にピントを合わせる方法として、一眼レフの場合は、10m以上離れた街路灯などに中央の測距点でピントを合わせてからマニュアルフォーカスにセットする。(この時マニュアルフォーカスリングに触らない様に注意)
ミラーレスの場合は、カメラをマニュアルフォーカス(MF)にセットして、10m以上離れた街路灯や町の明かりでピントを合わせる。(星のピントが検出できるカメラもある)
24mm以上の広角域でF4なら無限の星も被写界深度内となる。撮影したい方向に向けて構図を決めテスト撮影してみよう。
結果を再生して、露出の調整、構図の修正などをする。撮影後のデータは、ソフトによってコントラストやホワイトバランスなど調整して仕上げよう。

テスト撮影 16mm  F2.8 30sec ISO6400 西表島

天の川 16mm  F4.5 15sec ISO6400 21:35 波照間島

星の撮影で気をつけたいのが露光時間だ。写真はレンズの焦点距離によって撮像面(CMOSセンサー)での大きさが変わる。露光時間を長くすれば像面での移動距離も変わる。広角になるほど同じ露光時間でも像面での移動距離は小さくなる。星を点として表現するには露光時間が短いほど良いが、大口径レンズは高額で重い。ISO感度を上げすぎるとノイズがまだでやすい。データを見る拡大率も影響するが、A3程度のプリントを想定すると50mmで8秒(35mmフルサイズカメラ)を目安としよう。24mmでは15秒、12mmで30秒ということになる。*最小錯乱円0.03として計算した時の目安

逆に、星の動きを線として表現する軌跡写真には分単位の露光が必要となる。24mmで10分以上の露光すると軌跡として表現できる。露光時間は、テスト撮影した露出値を参考にISO感度を100にした時の露光時間を計算する。ISO6400とISO100では6段の差がある。テスト撮影でISO6400で15秒がOKならISO100で15分となる、地上の被写体が十分暗ければ露光時間だけ1段程度長くしても良いだろう。撮影もーどはバルブ(B)にセットする。長時間露光時間をセットできるバルブタイマー機能を搭載して機種もある。これはバルブにセットした時の露光時間を任意で決められる機能だ。殆どのカメラはマニュアルモードでのシャッター設定は30秒なのでそれ以上の長時間はバルブタイマーを使おう。もちろんタイマーリモコンがあれば長時間露光の連続撮影もセット可能で便利だ。
ソフトでは「比較明合成」機能を使って星の軌跡をより長くする方法もある。

比較明合成で1時間分の軌跡

同心円状の星の軌跡写真は。北極星のある北の空に向けて撮影することで北極星を中心に同心円状の軌跡となる。
南の空では水平線の上に半円湖状の軌跡。西の空では左斜めのラインから左右に広がる軌跡が。東の空では右斜めのラインから左右に広がる軌跡となる。

南の空 24mm F4 15min ISO100 20:47 波照間島

西の空  17mm F4 10min ISO400 4:56 西表島

東の空 17mm F4.5 13min ISO400 21:02 石垣島

参考URL

https://goo.gl/maps/sEKzJgB9nH7LDxUr7

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写真家情報

川名廣義詳細

得意分野 風景 拠点 13東京都 所属団体 日本旅行写真家協会
分類 プロカメラマン

東京都大田区出身
カメラ会社で開発、販売企画、ギャラリー等を担当し退職後フリー写真家として活動。
作品制作に取り組みながら写真関連記事執筆やアマチュア写真家の指導を行う。
写真作品は個展やグループ展で発表を続ける。
八重山諸島の自然をライフワークとする。
倉敷フォトミュラル・フォトスタジアム講師、休暇村写真教室講師。
日本旅行写真家協会正会員(理事)

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