2018.04.01
夜桜を撮ろう 外付けストロボを使ってみよう
- フォトテクニック
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夜桜見物って、単なる宴会だけでなく、その場にあるライトアップした桜を撮るのも楽しいものです。 またライトアップといっても、木によっては暗かったりしますし、また沿道だと街頭で適当にライトアップされた桜もありますよね。そうした状況で映えた夜桜を撮るテクニック、少し覚えてみませんか? 今までとは違った桜が撮れること請け合いです。 今回は夜桜の名所、目黒川での撮影を通じて、少し詳しく解説していきましょう
今回は夜桜をストロボで浮き立たせて撮ってみます。 ただストロボといってもカメラに内蔵している小さなストロボではありません。カメラアクセサリーとして別売している大きなストロボを使います。 そのため、ちょっと仕掛けはごつくなりますが、いい写真が撮れますよ。 3点の作品は撮影時期、時刻が異なるのですが、最下段の作例は空がやや紺色に輝いています。 撮影条件を上手く合わせると背景と桜の調和の良い写真が出来ます。この辺りもストロボを使う醍醐味ですね
この作例は対岸の桜を撮ったものです。 複数の大きな株が密集していて広範囲が桜であることと、人が群がって桜を撮っているところが面白いので、人と桜を一気に入れるため、離れて撮ってます。 撮影距離は25m程ありますが、きちんと桜花までストロボの光が届いて撮れました。
スローシンクロと言っても、三脚は使わないので、手振れしないように1/15が低速限界です。あまり高感度にすると画像が荒れるのでISO400にしています。 また背景を出すために被写界深度を深くしています。 後は手前の桜の適度のストロボ光が当たるように何度か撮って、撮影条件を決めます
これは内蔵SBを使って TTL調光で撮ってみました。 TTL調光は、ストロボのプリ発光の反射光を測定して本発光の光量を決めますが、周辺の明るさに左右されるので、発光量が一定しません。そのためやや発光量が乏しく、ストロボ光が支配的な光量とならないため、ライトアップ光とストロボ光の色温度の違いによる混色が出ています。 また微妙に揺れているため、ストロボ光の花とライトアップの花が微妙にずれて写っていますね。 TTL調光の最も不得意なケースです。 こうなるくらいなら上の作例の様に、ストロボを使わない方が結果が良いですね。
上の写真はは陽が高い時間帯の普通の昼間の桜です。概ね適正露光で逆光をカバーする日中シンクロを使いました。 そしてその状態でシャッタースピードを上げ、ISOを落として、適正露光から3段ほどマイナスにすると背景の明るさが極端に落ちて、その落ちた分をストロボ光で補うと、近い処の桜だけに光が当たって、まるで夜桜の様に撮れます。 「昼間の夜桜」が完成します。 このようにストロボの使い方が上手くなれば、色々遊べます。 これはこれで楽しいですね
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写真家情報
伊東 浩詳細
得意分野 | 風景 | 拠点 | -- | 所属団体 | 日本写真家協会 |
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分類 | プロカメラマン |
東京都小金井市在住
公益社団法人 日本写真家協会 JPS 正会員
一般社団法人 日本旅行写真家協会(JTPA) 正会員
大手カメラメーカー退職後、写真家に転身。季節や時代で変化する、一期一会の街並みを撮り歩く。また地元自治体で「大人の遠足撮影会」を実施し、初心者から上級者まで受講者多数。