2019.06.19
連載赤穂市の観光・撮影スポット
赤穂市の観光・撮影スポット No.2 ー塩と海ー
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前回の赤穂浪士に続き、今回は赤穂の塩にまつわるスポットとその塩を生み出す美しい海岸風景を中心にお伝えして行きたいと思います。さらに、8300万年前の巨大噴火でできたカルデラ「赤穂コールドロン」のお話も出てまいります。
まず最初に、以前は塩田が広がっていた場所に造られた赤穂海浜公園の様子と、赤穂御崎の伊和都姫神社から福浦海水浴場、大塚海岸へと続く美しい海辺の風景ご覧ください。
【赤穂海浜公園】
赤穂御崎の西側にあった巨大な塩田跡に造られた公園で、眼鏡橋で仕切られた大小2つの池、アスレチック遊具などが整備されている他、遊園地「タテホわくわくランド」、塩の国・赤穂市立海洋科学館、オートキャンプ場などの施設が併設されています。
ここは元塩田で海水が引き入れられていましたので、園内にある2つの池の水は海水です。よく観察してみると海の生物が見られます。
≪わんぱく広場≫
園内には遊歩道が整備されており、お散歩やジョギングのコースとしても最適です。わんぱく広場には、この公園のシンボルとも言える、巨大な難破船を模した遊具やアスレチック遊具が整備されておりご家族連れにおすすめのスポットです。
この難破船は、遊具とはいえなかなかのクオリティーです。撮り方を工夫すれば、おもしろい写真が撮れそうです。
≪唐船山≫
高さ19メートル、県下最低の山として親しまれています。昔、唐の船が嵐に会い沈没し、その上に土砂が堆積し最後に地続きとなったのがこの唐船山であると伝えられています。
≪赤穂市立海洋科学館・塩の国≫
揚浜式塩田、入浜式塩田、流下式塩田や製塩施設などを再現したのが「塩の国」です。最近では、NHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」のロケ地としても話題になりました。
塩田の中でも、巨大なほうきのような流下式塩田はその存在が際立っています。ほうきのようなものは「枝条架(しじょうか)」と呼ばれ、ここに海水を流し風力によって水分を飛ばします。
塩づくりを体験できる施設もあります。
「海洋科学館」は、「海洋・塩・赤穂の自然」をテーマに展示がされており、楽しく学ぶことができる施設です。
ここからは、赤穂御崎の伊和都姫神社と海岸風景をご紹介します。
【伊和都姫神社】
赤穂御崎の先端に位置する、千年以上の歴史を持つ式内社です。祭神は伊和都比売大神で、もともとは伊勢外宮の豊受比売とも、播州一宮の伊和大神とも言われています。もともとは、海上の八丁岩の上に祀られていたものを、天和3年(1683年)に浅野内匠頭長直が現在の地に移しました。古くから若い男女による姫神信仰が盛んで、現在でも良縁を願って「姫守」を受ける人が多くいます。
海に向かって立つ鳥居は、社殿側から海を背景に見ても、扁額が見える海側から空を背景にして見ても美しく絵になります。
【御崎海岸遊歩道・たたみ岩】
赤穂御崎は、日本百景や日本夕日百選にも選ばれている景勝地で、海岸線に沿って遊歩道が整備されており、播磨灘の穏やかな景色を眺めながら散策が楽しめます。
「たたみ岩」は引き潮の時にだけに渡ることができる岩礁です。恋人と二人で渡ることができると願いが叶うと言われているそうです。
【きらきら坂】
伊和都比売神社の駐車場からたたみ岩の方へ降りていく坂道。おしゃれな雑貨屋さんやギャラリー、本格的なイタリアンレストランがあります。毎月第三日曜日に、「御崎マルシェ」が開催されています。
【福浦海水浴場】
赤穂御崎にある、こじんまりとした美しい海水浴場。伊和都姫神社や大塚海岸とは海沿いの遊歩道でつながっています。
ここには「今井壮」という、どこか懐かしい海の家といった雰囲気の宿があります。元は、民宿でしたが内部はモダンにリノベーションされ、2部屋限定のおしゃれな宿泊施設として人気を集めています。
福浦海水浴場から大塚海岸に向かう遊歩道の途中に、コールドロンの痕跡が露出している場所があります(コールドロンに関しては後程ご説明します)。
【大塚海岸】
福浦海水浴場のすぐ横にある美しい海岸で、トイレや休憩所も整備されています。釣りのスポットとして人気があります。北端にはライオン岩があります。初日の出の景勝地として人気があります。
【赤穂ピクニック公園】
牧場があった丘陵地を、周辺の自然歩道と一体となったピクニックやハイキングの拠点として整備した公園です。
展望広場は、赤穂市街と瀬戸内海が一望できる人気のビューポイントです。日中、夕景、夜景それぞれ絶好の撮影ポイントです。
【古池塩田跡】
古池塩田は、江戸時代後期、干潟を干拓して開発された塩田でした。長らく入浜式塩田として製塩を行っていましたが、昭和29年に流下式塩田に転換しました。
昭和38年に福浦地区は赤穂市に合併され、古池塩田は赤穂塩田に統合され製塩を続けていました。昭和46年赤穂塩田が廃止され製塩を中止し、古池塩田もそのまま廃止されました。
赤穂市内でも古池塩田だけが廃止当時のまま残されており、流下式塩田の堤防や枝条架の基礎が残っています。
【塩釜神社】
祭神は、塩土老翁(しおつちのおきな)、建御雷神(たてみかづちのかみ)、経津主神(ふつぬしのかみ)。古池塩田を干拓する際に、塩田の神様を祭るために建立されたと言われています。
入口の石柱には、赤穂出身の相場師「是川銀蔵」の名が刻まれています。
【福浦新田】
かつて福浦は入り江が深く入り込んだ平野の少ない地形でした。安土桃山時代の天正年間より干拓が始まり、江戸時代に岡山藩による大規模な干拓が行われ、天和2年(1682年)福浦新田ができました。
【龍神社】
少童神(わたつみのかみ)、大山祇神(おおやまつみのかみ)、道祖神が祭神として祀られています。
宮崎刑部によって退治された大蛇を裏山に祀った神社が龍神社であるという龍神(大蛇)伝説が残っています。また、戦争中は「玉よけ神社」として遠方からも参拝者がありました。
神社名は旧号龍宮、明治2年(1869年)龍神社と改称されました。(池田家文書)
【備前福河駅とコールドロン】
備前福河駅はJR赤穂線の駅の一つです。赤穂線は1951年12月12日に相生-播州赤穂間が開通、1955年3月1日に播州赤穂-日生間が延伸開業し、備前福河駅ができました。当時この場所は岡山県でした。1963年(昭和38年)9月1日に、備前福河駅がある福浦地区が兵庫県赤穂市に越県合併されました。かつてここが岡山県(備前国)であったことが駅名に残っています。
また、備前福河駅から北西約500メートルの山には「赤穂コールドロン」を見ることができます。赤穂市は、約8,300万~8,200万年前の後期白亜紀(恐竜時代)の巨大噴火によって生まれたカルデラの中にできた町であることが平成28年に判明しました。カルデラの大きさは、最大直径約21キロにおよび、熊本県の阿蘇カルデラ(最大直径約25キロ)や、桜島を形成する鹿児島県の姶良(あいら)カルデラ(同20キロ)に匹敵する大きさです。発見されたカルデラは「赤穂コールドロン」と命名されました。
駅にはコールドロンを説明するパネルがあります。ぜひパネルを見ながら山を眺めてみてください。
*撮影:トラベルガイド株式会社 阿部吾郎
撮影スポット情報
赤穂観光協会ホームページ
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写真家情報
一般社団法人 赤穂観光協会詳細
得意分野 | 風景 | 拠点 | 28兵庫県 | 所属団体 | -- |
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分類 | 自治体 |
清流千種川が瀬戸内海に注ぎ込む河口域にできた赤穂。「赤穂浪士」や「塩づくり」の歴史や瀬戸内海国立公園に位置する自然豊かな地域。