2019.01.22
連載兵庫県フォトライブラリー
兵庫県フォトライブラリーNo.7 山陰ジオパークと北前船そして海の恵み ー日本海沿岸の自然と文化ー
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兵庫県の日本海沿岸の自然・文化を物語るスポットを、山陰ジオパーク、北前船をキーワードにピックアップしました。山陰ジオパーク関連としては、玄武洞・玄武洞ミュージアム・はさかり岩・淀の洞門・今子浦・岡見公園・神鍋高原、北前船関連として竹野海岸・諸寄港をご紹介します。その他、全面ガラス張りのエレベーター「クリスタルタワー」で話題の余部鉄橋、この地域を代表する海の幸ズワイガニの水揚げやセリの様子もご紹介します。
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【玄武洞】
160万年前の噴火によって噴出したマグマ(玄武岩溶岩)が冷却され、規則正しい六角形の割れ目、柱状節理が形成されました。玄武洞の柱状節理からは、マグマが冷却されていく時の熱対流の動きもわかります。 「玄武洞」の名は、江戸時代の儒学者、柴野栗山が洞の様子から中国の妖獣「玄武」を連想し、「玄武洞」と命名しました。玄武洞はbasaltの日本語名「玄武岩」の由来にもなりました。また、ここの玄武岩の磁気が現在の地磁気と反対の向きを指していることから、過去の地磁気の逆転が発見された場所でもあります。玄武洞は国際的重要性のある場所と言えます。玄武洞の洞窟は自然のものではなく、採石によるものです。切り出された玄武岩は周辺地域で漬物石、家の土台、石垣として使われました。公園内には「玄武洞」「青龍洞」「白虎洞」「南朱雀洞」「北朱雀洞」の5つの洞があります。玄武洞と青龍洞は、国の天然記念物にも指定されています。
【玄武洞ミュージアム】
玄武洞公園入口に2018年3月にオープンした博物館。1F「岩石ゾーン」では、まずアジアゾウの全身骨格が目に飛び込んできます。玄武洞の歴史、山陰海岸ジオパークの岩石などが展示されています。「杞柳ゾーン」では、伝統的工芸品である「豊岡杞柳細工」を紹介しています。2F「鉱物ゾーン」では、宝石・鉱物のコレクションの展示、「化石ゾーン」ではティラノザウルスの全身骨格や色々な珍しい化石が展示されています。
但馬のお土産品コーナー、菓子工房、レストラン&カフェもあります。
【竹野海岸】
竹野海岸のほぼ中央部に位置する竹野浜は、日本の渚100選にも選ばれている白い砂浜と青い海が美しいビーチです。猫崎半島の東に位置し、遠浅で関西屈指の透明度と水質を誇り家族連れにも人気です。この猫崎半島が北前船が風待ちをする天然の防波堤となり、竹野浜は北前船の一大寄港地となり栄えました。猫崎半島の付け根には北前船の係留杭などの遺構が残っています。竹野浜には竹野商工会青年部作成の北前船の大絵馬があります。ジャジャ山公園は、猫崎半島、竹野浜、日本海を見渡せる絶景のビューポイントです。
【北前館】
北前船をテーマとする資料室と温泉施設です。2Fの北前船資料室では、地元の人が建造した北前船「天神丸」の1/5模型や、船鑑札、船タンス、磁石、遠眼鏡、船絵馬など当時の北前船に関する資料を多数展示を展示しています。レストラン、竹野浜と日本海を一望できる温泉施設、お土産品売り場も併設されています。
【竹野の街・港】
江戸から明治にかけて北前船の寄港地であった竹野浜一帯は「竹野の大浜」とよばれ栄えていました。今でも町のところどころにその痕跡が残されています。
大灯籠は高さ5メートルもある立派な灯籠で、竹野で産出される青井石でできてます。江戸時代に竹野浜の人々によって寄進されました。
鷹野神社の拝殿には当時の船頭が奉納した船絵馬、境内には方角石が残っています。竹野港には日和見に良い高台がありませんでした。鷹野神社の境内に地上10メートルの石垣の望台を築きその上に置かれたのが方角石です。天気や船の出入りを見ました。望台は今はありませんが、方角石は境内に保存されています。
現在の竹野港は漁港として栄えています。
【はさかり岩】
「はさかり(る)」とは但馬の方言で「挟まる」とい意味です。海にそそり立つ2つの岩柱の間に、直径3~4mの丸い岩が挟まっています。兵庫県の天然記念物に指定されており、竹野海岸を代表する奇岩の一つです。挟まっている丸い岩は、かつては洞門の天井部分であったと考えれらています。火山活動によってできる緑色凝灰岩で、ところどころに見える白っぽい岩石は花崗岩が取り込まれたものです。
道路脇にはロードパークがあるので車を停めて見学することができます。
【淀の洞門】
切浜海岸の北の岬先端部にある幅約25m・高さ15m・奥行き40mの洞門です。花崗岩と角礫岩層及びそこを切る断層の亀裂を波が浸食してできたものです。ジオカヌーツアーで洞門をまじかに見ることができます。
大昔、金棒で穴を開けここを根城に悪さをした「淀の大王」を首領とする鬼集団を、スサノオがやってきて退治したという伝説が残っています。
【今子浦】
今子浦は、波静かな入り江でかつては北前船の寄港地として栄えていました。今は磯遊び場、海水浴場、キャンプ場として人気です。
磯遊びができる岩場は、「千畳敷」と呼ばれ、波によって削られた凝灰岩の波食棚で山陰海岸ジオパークの見どころの一つです。その沖にカエルの形をした奇岩、通称「かえる島」があります。安山岩が侵食されてこのような形になりました。その昔、北前船で航海に出た男達が無事帰ることを祈願した言われています。今子浦海水浴場の遊歩道を北へ5分ほど進んだところに断崖の切り立つ岬「大引の鼻」があります。さえぎるもののない展望台からは香住海岸や日本海を一望できます。日本海に沈む夕日は「日本の夕陽百選」に認定されています。
【岡見公園】
香住海岸城山半島の岬の先端に位置する公園で、展望スポットとして有名です。松の木が生え大きな石灯籠がある展望広場からは香住海岸を一望できます。岡見公園はかつて離れ島だったという伝承があります。春は桜、夏はユウスゲ、日本海に沈む夕日の名所(日本の夕陽百選)としても知られています。
【余部鉄橋】
平成22年8月に現在のコンクリート橋の余部橋梁に架け替えられました。旧橋梁の西側3本の橋脚は現地保存されています。
平成25年5月に余部鉄橋「空の駅」展望施設が完成。橋梁下には「空の駅」の開設記念碑、東屋、自由広場などがあります。
平成29年11月に余部鉄橋「空の駅」に全面ガラス張りのエレベーターが完成。愛称は「余部クリスタルタワー」。美しい日本海を眺めながら、41m上昇します。
クリスタルタワーは季節ごとに色を変えて毎日ライトアップされます。春グリーン、夏ブルー、秋オレンジ、冬ホワイト(イベントなどの時はレインボー)。
【諸寄港】
諸寄は兵庫県北部の日本海側、鳥取県寄りにある港町です。現在も漁業が盛んです。
諸寄港は江戸後期から明治の前期ぐらいまで風待ちの北前船の寄港地として栄えました。町の中には繁栄当時の面影を残す家並みが残っています。
平成30年、新温泉町が日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に追加認定されました。構成文化財は諸寄の、船絵馬や廻船問屋だった東藤田家の母屋など11件です。
城山園地から望む波穏やかな諸寄港と日本海に沈む夕日は絶景です。また、透明度の高いエメラルドグリーンの海と真っ白な砂のビーチは人気の海水浴場です。
【東藤田家邸宅】
北前船で財をなした廻船問屋・藤田家の邸宅。築130年の母屋が日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財に指定されました。東藤田邸は、ゲストハウスと多目的に利用できる施設にリフォームされています。
【為世永神社社務所】
船絵馬は、船主が航海の安全を祈願して奉納したものです。為世永神社社務所には5枚の船絵馬があります。日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財の一つです。
【柴山漁港】
柴山港は海岸線が入り組んだ天然の良港で、四季折々の新鮮な魚介類が水揚げされます。 冬のカニシーズンは観光客で賑わいます。柴山漁港で水揚げされる松葉ガニは「柴山ガニ」と呼ばるブランドガニで、その頂点に立つのが“柴山GOLD”と呼ばれる最高級ランクのカニです。
カニ漁が解禁になると、柴山カニを漁獲した底曳船が港に入港してきます。カニを元気な状態で港まで運ぶために、船には水温を2~3度に維持する水槽が装備されています。深海にできるだけ近い環境を保ちカニをストレスフリーの状態にするためです。水揚げ後は「選り手」と呼ばれる女性たちによってすぐに選別されます。なんと110ものランクに厳密に迅速に選別されます。選別されたカニは、生きた状態で競りにかけられていきます。解禁日の「初せりまつり」のみ競りの様子を見学することができます。
【神鍋高原】
神鍋高原には7つ火山が見つかっています。神鍋高原の中心に位置する神鍋山は、約2万年前に噴火した近畿地方で最も新しい火山です。神鍋山の周囲は1,000m級の山々に囲まれたなだらかな丘陵地域になっています。スキー、パラグライダー、グラススキー、マウンテンバイク、ハイキングなど自然をいかした様々なアクティビティを一年中楽しむことができます。またスコリアが堆積した土壌や寒暖差の大きい気候の特性を生かし高原野菜の栽培、湧水を利用したニジマスの養殖やわさびの栽培なども行われています。神鍋山の山頂には神鍋神社があります。火口周辺は気軽なハイキングに最適です。秋の斜面は紅葉している山を背にススキが風になびいています。
【神鍋火山の断面】
標高469mの神鍋山はスコリア(噴火の際に飛び散ったマグマが冷えて固まった砂や礫)が積み重なってできたスコリア丘です。山の西南麓に砂利(スコリア)を採取した跡があり、赤褐色のスコリア層の断面を見ることができます。
【神鍋渓谷公園】
神鍋高原の北側にある渓谷公園。一ツ滝(ひとつだき)と二ツ滝(ふたつだき)と呼ばれる二つの滝が有名です。(写真は一ツ滝)カツラやトチノキ等の大木、苔むした岩など四季折々の景色が楽しめる自然豊かな公園です。
【神鍋溶岩流】
神鍋山の噴火により流れ出た大量の溶岩は、稲葉川沿いを円山川まで流れ下りました。溶岩流と川の浸食により、多くの滝や特徴的な淵が作られました。一部遊歩道も整備されているのでウォーキングを楽しむことができます。二段滝は平成30年の大雨で下の岩に穴があき、直接滝つぼに流れるようになってしまいました。
*撮影:トラベルガイド株式会社 阿部吾郎
撮影スポット情報
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