2018.12.02
連載兵庫県フォトライブラリー
兵庫県フォトライブラリーNo.4 龍野と室津 -播磨の小京都と歴史の港まちー
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兵庫県南西部に位置するたつの市には、歴史に彩られた魅力的な地域が2つあります。ひとつは播磨の小京都と呼ばれる龍野エリア。龍野藩5万3千石の城下町として栄えたこの町は、龍野城址を中心に今も武家屋敷や白壁の土蔵が多く残されており、その歴史を感じることができます。また、醤油醸造で栄えた町、童謡「赤とんぼ」で知られる作詞家三木露風の出身地としても知られています。
そんな龍野の海の玄関口が室津です。天然の良港として奈良時代から栄えたこの港は、江戸時代には参勤交代の西国大名たちが船でこの地に到着したのち、陸路江戸に向かう海と陸の接点となる宿場町として栄えました。今でも、室津には多くの漁船が集結し港町としてての重要性を保っています。町内には細い路地が多く、古い建物も多く残されており、当時の雰囲気を偲ぶことができます。
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【龍野城址】
龍野城は、もともと室町時代末期に赤松氏により鶏籠山山頂に築かれた山城でした。江戸時代になり山頂の天守は破却され、現在の地に平城として再建されましたが、これも後に破却されました。
寛文12年(1672年)脇坂氏が信州飯田より入部し、城郭というよりは武装化した邸宅のような形の御殿式で再度築城されました。
現在の石垣のみが残り、御殿、武具櫓、隅櫓(模擬)、埋門が再建されています。
【播磨の小京都・龍野の街並み】
龍野は、龍野藩五万三千石の城下町で「播磨の小京都」と言われています。
如来寺周辺の浦川沿いや、旧脇坂屋敷周辺に白壁の土塀が続く情緒ある景観が今なお残っています。
うすくち龍野醤油資料館はレンガ造りの洋風建築ですが、レトロな雰囲気が城下町の町並みにも調和しています。
街歩きをしていると、江戸時代に建てられた歴史的価値のある立派な土蔵や住宅を見ることができます。
【龍野神社】
龍野神社は、龍野藩脇坂家初代の脇坂安治を祭神とする神社です。安治は賤ヶ岳の戦いで功名をあげた賤ヶ岳七本槍の一人に数えられた武将です。
長い石段を上ると鳥居があり、その奥に本殿があります。
【聚遠亭(しゅうえんてい)】
聚遠亭は龍野藩脇坂氏の上屋敷跡にあります。ここから天気の良い日には、淡路島や瀬戸内の島々を見ることができました。その眺望の素晴らしさからこの地を「聚遠の門」呼んだことが名前の由来となっています。
心字池の上に浮かぶ書院造を模した数奇屋風の茶室(浮堂)、茶室「楽庵」、藩主脇坂氏の別邸「御涼所」の3つの建物があります。
手入れの行き届いた庭園は紅葉の名所としても有名です。池のほとりには、三木露風の詩碑や、井原西鶴の碑などが建っています。
【うすくち龍野醤油資料館】
この建物は、菊一醤油造合資会社の本社として建てられ、浅井醤油合名会社との合併後、竜野醤油㈱(現ヒガシマル醬油㈱)の本社になりました。
レンガ造りで美しいアーチ形のルネッサンス様式の窓がある建物は、国の登録有形文化財に指定されています。
全国初の醤油資料館として昭和54年(1979)11月に開館しました。展示品は江戸時代からの醤油醸造用具や資料など2400点余り、昔ながらの醤油づくりの作業工程がよくわかります。
アーチ形の窓があるライブラリーでは、「昔と今の醤油造り」のビデオ放映もあります。
【如来寺】
如来寺は、約500年の歴史を持つ西山浄土宗のお寺です。龍野藩藩主である脇坂家の菩提寺です。
境内には露風の歌碑と筆塚があります。
【三木露風生家】
「赤とんぼ」の作詞で有名な三木露風の生家です。露風は6歳まで両親・弟とこの家で暮らしていました。
【歴史の港・室津の街並み】
室津は、奈良時代行基が開いた摂播五泊の一つで、古くから波静かな良港とされてきました。「この泊 風を防ぐこと 室の如し」と播磨国風土記にも記されています。今でも静かな入江には漁船が並んでる漁港です。
室津漁港(室の泊)は、平成18年2月、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」(水産庁主催)に選定されました。
港から街中へ足を向けると、石畳の狭い路地とかつて宿場町として栄えた情緒ある街並みが続きます。坂を上った高台からは街並みと湾が一望できます。
【たつの市立室津海駅館】
近世から近代にかけて廻船問屋を営んでいた豪商「嶋屋」の建物を展示施設としたものです。「廻船」「参勤交代」「江戸参府」「朝鮮通信使」の四つのテーマに分かれて展示があります。
江戸時代の町屋の特徴を残した建物は、屋形船床之間のような特徴のある天井など建物自体にも見どころがあります。
【たつの市立室津民俗館】
姫路藩の御用達をつとめた豪商「魚屋」の遺構を改修してできた民俗資料館です。。古地図など室津の歴史や民俗関連の資料を展示しています。
脇本陣を兼ねていた豪華な建物には23の部屋があり、畳の数は168枚もあります。各々の部屋は細部まで意匠が尽くされています。
1988年(昭和63)には兵庫県文化財に指定されています。
【浄運寺】
浄土宗、本尊は阿弥陀如来像、山号を清涼山といい、法然上人の二十五霊場の一つです。
門前には木曽義仲の夫人であったという遊女友君の墓があります。
法然上人像、近松作の恋物語「お夏清十郎」のお夏像でも知られています。
山門の上には鐘楼がついています。
【貝堀の井戸】
真水がなくて困っていた人々のために、室津に滞在中の法然上人が貝殻で掘ったと言い伝えられている淡水の井戸です。
浄運寺から海側へ下りたところにあります。
*撮影:トラベルガイド株式会社 阿部吾郎
撮影スポット情報
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