2021.03.13
連載伊東浩の「シベリア漫遊記」
真冬のシベリアに行こう その4 ロシアにも有った古民家博物館
真冬のシベリアに行こう その4
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シベリアのパリといわれる、イルクーツクから南東へ約50km、郊外の村タリツィに位置する、木造建築の博物館をご紹介しましょう。ここはシベリア開拓時代の18~19世紀頃の木造建築を中心に移築したり、レプリカとして再生したりして、その時代の開拓民の生活・文化が展示されています。真冬に尋ねると周りの雪と非常にマッチして、当時のシベリアの厳しい生活が手に取るように理解できます。
外敵から村を守るべく、城壁に囲まれたコミュニティーを形成しています。
木造の教会があります。
教会の内部。
これは学校の建物。
こじんまりした教室はちょうど日本の寺子屋の様です。
学校の教員の部屋。校舎に隣接しています。学校の一角に教員が住んでいる感じですね。
まず目につくのは、コミュニティーの中心である教会と学校。特に学校は教職員の住居も兼ねた構造で、自然環境の厳しいシベリアで教育活動を継続していくという、人々のとの知恵だろうと思います。
一方で、ほぼ自給自足に近い食の基本、農家の展示があります。
ここも何軒かの農家が集団を作って生活していました。
農機具の置き場、いわゆる納屋ですね。
白いものは「ペチカ」、シベリアの代表的な暖房手段です。
ペチカの裏の部屋。寝室になっています。大体はその家のおばあさんの部屋になっているようです。
一家団欒の居間。
娘さんの部屋です。ちょっとお洒落ですね。
ロシア式サウナ バーニャです。真冬でも非常に快適に温まります。
家畜スペースも含め、冬の間の家畜の保護や飼料の確保、農作業場も備わり、基本的には自給自足のサイクルが回る構造になっています。家自体は隙間の内ログハウスなので、断熱性に優れた家となっています。ここも先人の知恵が詰まっていますね。
そしてこの屋外博物館はかなり広く、夏場には野外活動ができるスペースがあります。
家畜を買う小屋。
屋外の広場、馬の係留がしてあります。
かなり広い屋外スペース。
簡単なレストランがあります。
代表的なスナック「ピロシキ」。
簡単なロシアスナックを頂けます。リンゴのピロシキおいしかったです。この建物博物館は日本でいえば、北海道の開拓村や東京の江戸東京たてもの園のようなところです。まあ敷地は広大なので、夏に行けばそれなりのイベントはあると思いますが、シベリアを知る意味では真冬の雪深い頃が一番お勧めでしょう。
今はコロナ禍で観光渡航はできませんよね。感染が収まったらぜひ行ってみてください。
撮影スポット情報
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写真家情報
伊東 浩詳細
得意分野 | 風景 | 拠点 | -- | 所属団体 | 日本写真家協会 |
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分類 | プロカメラマン |
東京都小金井市在住
公益社団法人 日本写真家協会 JPS 正会員
一般社団法人 日本旅行写真家協会(JTPA) 正会員
大手カメラメーカー退職後、写真家に転身。季節や時代で変化する、一期一会の街並みを撮り歩く。また地元自治体で「大人の遠足撮影会」を実施し、初心者から上級者まで受講者多数。