2019.01.27
阿部吾郎作品ページ -ジャランジャランマレーシア写真展2013-
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2013年10月31日~12月1日まで浜松町の世界貿易センタービル地下階で行われた「ジャランジャランマレーシア写真展」の全作品を公開し、この写真展を再現してみたいと思います。この写真展は、マレーシア政府観光局の主催、トラベルガイド株式会社協力にて開催され、代表の阿部が撮影した写真を展示させていただきました。開催から、だいぶ時間が経っていますが、今でもマレーシア政府観光局のイベントで、これらの写真が時々展示されています。
【ペナン】
ペナン島と聞くと、アジアのビーチリゾートと思われる方が多いのではないかと思います。もちろん、それも間違いではありません。島の南側、フェリンギビーチ沿いに高級リゾートホテルが立ち並び、人気のビーチリゾートとなっています。
しかし、ペナン島にはもう一つ大きな魅力があります。2008年世界遺産に指定されたジョージタウンです。東西に約1.5km、南北に約2kmの狭い土地の中に、様々な文化や宗教、伝統的なもの、現代的なものが濃密に凝縮されている、世界でも類を見ないエリアです。世界遺産指定をきっかけに観光地として整備され、昔ながらのショップハウスを改造して作られたおしゃれなレストラン、カフェ、ショップ、ホテルが数多く出店し、さらにその魅力を高めています。
ペナンのシンボル、白亜の美しい建物が魅力のセントジョージ教会を始め、現代では再現不可能と言われる精緻な石造彫刻が見られるクーコンシー、1801年に建てられたマレーシアで最大級のモスク、カピタンクリンモスクなどみどころがたくさんあります。もちろん、こういった素晴らしい文化財を見て回るのもジョージタウン観光の重要な要素ですが、旅の楽しみはそれだけでは終わりません。18世紀~19世紀に作られた街並みがそっくり残された街をのんびりと散策し、ノスタルジックな街の片隅にある風景を愛でたり、街のあちらこちらにあるストリートアートを鑑賞したり、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気のおしゃれなレストランでおいしい地元の料理を味わったり、旅の楽しみは尽きることがありません。
この写真展でもジョージタウンの写真が一番多く展示されています。カメラを持ってこの街を歩いていると時間が経つのを忘れてしまいます。この街の素晴らしさを、私の写真で少しでも感じていただくことができれば幸いです。
【クアラルンプール】
「クアラルンプールってどんなところ?」と聞かれると、「ショッピングセンターがいっぱいあるところ」と答えてしまいます。メインストリートのブキビンタン通り周辺だけでも、大小合わせて8つほどあります。それもかなり密集しています。それでも、どのショッピングセンターも多くの人々で賑わっています。ローカル色の強いところ、海外ブランドが多いところなど、それぞれ特徴があります。クアラルンプールのショッピングで魅力的なのは、地元ファッションブランドのレベルがかなり高いという点です。しかも値段はお手軽です。
グルメの方も、ショッピングセンター内がねらい目です。マレー料理やニョニャ料理が現代風に食べやすくアレンジされたお店がたくさんあり、気軽に地元グルメを楽しめます。各ショッピングセンター内のフードコートも充実しています。さらに、香港や台湾のお店も多く出店しており、マレーシアに留まらずアジアのグルメを一気に味わうことができます。さらにディープなアジア食を求める人には屋台街のジャランアローや昔ながらのお店が多いインビ通りなど、街の中心部をちょっと逸れるとアジアらしい世界が残っています。
面積は山手線内の約4倍、北海道の小樽市、愛知県の豊橋市と同じぐらいの広さです。人口は180万人で福岡市よりやや多く、名古屋市よりはちょっと少ないぐらいの数です。マレー系、インド系、中国系の人々が様々な服装で街を闊歩しています。外国からの旅行者やビジネスマンも多く、街は活気に溢れています。街のシンボル、ペトロナスツインタワーは、いつ見ても思わず見とれてしまう美しさです。
日本では、まだまだ旅行先としての認知度が低いクアラルンプールですが、行ってみると台北や香港にも負けない魅力のある都市です。LCCの就航で手軽に行けるようになりましたので、是非一度足を運んでみてください。
【マラッカ】
2008年にジョージタウンと共に世界遺産に登録されました。ポルトガル、オランダ、イギリスといった国々の植民地であった過去を持つこの街には、伝統的なプラナカン文化に加えヨーロッパの香りがする独特の景観があります。
マラッカのシンボルと言えばピンク色の教会があるオランダ広場。この教会、もともとは漆喰で塗られた白い教会だったのですが、後にイギリス人がピンク色に塗ったそうです。こんなところにも植民地支配の歴史が残されています。オランダ広場を起点に、フランシスコザビエル像があるセントポール教会、ポルトガル人が造った要塞、サンチャゴ砦など徒歩で巡ることができます。トライショーを使ってみるのもいいかましれません。
マラッカ川を渡ってジョンカーストリートの方に行ってみると、こちらはプラナカン文化の世界です。間口が狭く奥に長いショップハウスが軒を連ねています。ショップハウスには、おしゃれなカフェやレストラン、雑貨店などが入っており、ゆっくりと通りを歩きながらグルメやショッピングを楽しめます。ここで食べてみたいのがマラッカ風チキンライスです。ご飯が餅のように丸められ焼かれた状態で出てきます。もちろんチキンの味も絶品です。特産のグラムラカ(パームシュガー)の味が効いた冷たいデザート、チェンドルもおすすめです。
ジョンカーストリートや、その隣のトゥン・タン・チェンロックストリートを歩いていると、ショップハウスの窓に美しい装飾が施されているのをよく目にします。家ごとに模様や色使いが違っており、これを見て回るだけでも十分に楽しめます。
オプショナルツアーなどで、ほんの数時間の滞在だけで終わってしまうことが多いマラッカですが、市内には宿泊施設もたくさんありますので、是非宿泊してゆっくりと見ていただきたい街です。
【イポー】
大半の方はイポーという地名を耳にするのは初めてかもしれません。クアラルンプールから車で2時間ほどの場所にあるペラ州の州都で、人口約50万人のマレーシア第3の都市です。マレーシアにおける海南チキンライスの発祥の地とされ、うまいものが多いことで有名な都市です。水がきれいなところで、もやしが名産品です。ちょっと地味な名産品と思われるかもしれませんが、歯ごたえがすばらしくちょっと他では食べたことがないおいしいもやしです。もうひとつの名産はポメロです。日本ではザボンと呼ばれている大型の柑橘類類です。少々大味ですが、水分量が多くさわやかな酸味があります。街の入り口にポメロ屋さんがずらっと並んだ長屋があり、赤いひもで編まれた網に入った緑色のポメロが並ぶ光景に圧倒されます。さらにもうひとつ、マレーシア全土で愛されるホワイトコーヒーもこちらの発祥です。
私がこの地を訪れて、最も印象に残ったのは洞窟寺院です。イポーは、日本でいうと秋吉台のようなカルスト地形の土地で雨水による浸食でできた岩山や洞窟の多い場所です。この洞窟を利用して作られた洞窟寺院がいくつか点在しているのですが、中でも霹靂洞(ペラトン)と三寶洞(サンポトン)には驚きました。巨大な洞窟の奥に鎮座する巨大な金色の大仏。洞窟の先にある四方岩山で囲まれた狭い土地に建つ中国寺院。日本にあったら、周りにお土産屋がたくさん出来て、週末になると並ばないと入れないのではないかと思われるようなみどころが、ひっそりと存在しています。
白亜の駅舎が美しいイポー駅を始めコロニアル調の建物が多く残る旧市街、郊外には日本の映画のロケ地になったことで知られるケリーズキャッスルもあり、観光地としての見どころが揃っています。
参考URL
マレーシアの情報はこちら http://malaysia.travelguide.co.jp/関連記事
写真家情報
阿部吾郎詳細
得意分野 | 風景 | 拠点 | 11埼玉県 | 所属団体 | 日本旅行写真家協会 |
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分類 | プロカメラマン |
トラベルガイド株式会社代表・ツアープランナー・カメラマン・ライター
旅行会社で20数年勤務したのち起業。マレーシアの旅行情報サイト「トラベルガイドマレーシア」を運営、自ら写真撮影・文章執筆を行う。カメラマンとしてアジアを中心に撮影を行い、旅行会社を中心に画像素材を提供。