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2018.06.17

裏技も駆使して、超広角レンズでパノラマ写真を撮ろう!

Nikon D810 AFS 16-35/4 SS0.8秒 F11 ISO320 16mm

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皆さんは広角レンズ、特に超広角と言われる、画角が100°を超えるようなレンズを使ったことはありますか? 東京駅は駅舎の長さが330mもあるのに、最も被写体から離れ得る撮影ポイントが150m程しかなく、駅舎全景を撮るには、画角が100°程ないと端まで入りません。 そのためD810のように35mmフィルムサイズのセンサーを持つカメラの場合、焦点距離が16mmより短いことが求められます。 

そこで今回はDXレンズをD810に取り付けて、価格的に優しい機材で遜色のない画像が得られる「裏技」を解説していきましょう。

Nikkor AFS16-35/4G 通常はこれを使います 

Nikkor DX AFP10-20/4.5-5.6G 

このDX10-20レンズをD810に取り付けて、撮影メニューで撮像範囲をFXにしたまま DX自動切り替えを「しない」に設定します。(デフォルトは「する」になっています)その状態で撮影すると周辺が黒くケラレた画像が撮れます。これをクロップすると、DXレンズで撮ったと思えないほどきれいな絵が撮れますよ。 

広角端10mmで撮った画像。 当然周辺部はけられます

クロップすると、パノラマチックな写真として完成します

DXレンズはイメージサークルが約28mmの設計なので、広角端では当然長辺側全域はカバーできません。 しかしながら、本来の対角画角がそのまま水平画角で利用できるため、本来のDXの範囲より広い範囲まで画像を映しだせます。被写体の特性上、パノラマ的な写真で問題ない場合はこの手法が使えます。 但し必ずフードを外して撮影してください。 フードを付けたままだと、もっとケラレる範囲が大きくなります。 またこのレンズであれば、東京駅の駅前広場からの全景写真が可能ですよ


DXレンズはイメージサークルは小さいけれど、小型で安価で、性能はFXと同じなので撮れた絵にそん色はありません。 撮って出し画像では使えませんが、RAW現像しながら必要な部分を整えていけばいいわけです。
ここでひと手間加えた技をご披露しましょう

DX AFP10-20/4.5-5.6G で撮ったオリジナル

PSのフィルター機能を使って広角補正すると、周辺部のゆがみが補正され、自然な形の画像となる

クロップして構図を整えると、パノラマチックな写真になります

広角レンズはその特性上、画角が広い分、周辺部にはかなり大きなひずみが出ます。これをフォトショップのフィルター機能の中の「広角補正」を実行すると、樽型のディストーションは残りますが、広角レンズ特有の周辺部のひずみが大分補正され、より自然な形で見えてきます。 これをクロップしてパノラマ写真に仕上げます。

最後はあっと驚く裏技を紹介しましょう

Nikkor DX10.5/2.8G フード切断

D810+AFfisheye10.5mm フード切断の画像

真ん中をクロップすれば全くわからない

最後は究極の裏技です。
最近はズーム魚眼なるレンズがでて、FXの円形魚眼の画像が撮影可能となりました。 一方DX fishieye10.5mmは開放Fが2.8と明るく、作り付けのフードを切ると、FXの長辺方向は完全に円形魚眼の範囲に入ります。また短辺方向は完全な円形範囲には入りませんが、撮影者の足元と太陽が入りにくいため、むしろ都合がいいと思います。 但しフードを切る等のかなりハードルの高い加工が必要となります。 メーカーは保証してくれませんので、自己責任でやってください。 
そして元々魚眼レンズはディストーションの補正量が小さいので、中心付近はそれほど違和感がない画像となっています。 

いかがでしたか? FXカメラでDXの広角レンズを使うと、構図によっては十分使える写真が撮れますよ。 D500等のDXカメラを持っている方、DXレンズをFXに付けて撮ってみるのもまた新しい発見があるかもしれませんね

参考URL

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写真家情報

伊東 浩詳細

得意分野 風景 拠点 13東京都 所属団体 日本旅行写真家協会
分類 プロカメラマン

東京都小金井市在住。日本旅行写真家協会(JTPA) 正会員
大手カメラメーカー退職後、写真家に転身。季節や時代で変化する、一期一会の街並みを撮り歩く。また地元自治体で「大人の遠足撮影会」を実施し、初心者から上級者まで受講者多数。

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